・電気工事業における主なリスクとして以下が挙げられる
 -外的要因に影響されやすく、景気後退局面における受注競争の激化
 -景気後退局面では、貸し倒れリスク元受けの倒産などのリスクも増す
 -労働災害とそれに伴う使用者責任リスク、工事の不備による請負賠償責任リスクPL事故
 -工事対象物の破損・汚損
 -原料・材料の高騰や資材の盗難
・受注競争に打ち勝つためにITや省エネをキーワードにした新分野を開拓
・貸倒れ・元受け倒産のリスクには、与信管理・売掛債権の分散が有効
・労働災害は上乗せ労災保険を活用。上乗せ労災保険が下請業務の受注要件になっていることがあるので注意。安全配慮義務違反が想定される場合は、使用者賠償責任保険の活用が有効
請負業者賠償責任保険・PL保険は補償の範囲に注意
・工事対象物の破損、資材の盗難リスクなどは組立保険を効果的であるが、リスクの実態に見合った保険商品を選ぶことが重要。

その他懸念されるリスク等ございましたら、簡易分析シート で診断をすることができます。

電気工事業の特徴的なリスク

電気工事業の特徴として、労働集約型産業であり、季節変動や住宅着工数・公共工事等に左右されやすく、またIT関連や省エネ、オール電化、電気自動車(EV)用の充電設備需要も含め新しい技術力が求められることでも知られています。
工事が減少傾向にあり、当然ながら受注の減少し電気工事業にとって厳しい時代となりました。この局面を乗り切るためにはIT化や省エネなどの時代のニーズに合わせて柔軟かつ機敏な対応が必要です。
特に、技術開発の遅れは、工事単価の下落や過当競争の一因になりかねないため非常に重大なリスクとなります。また、景気の後退局面においては、貸倒れや元請けの倒産、公共工事の減少等が想定できます。労働災害やそれに伴う使用者責任リスク、公示の不備に起因する請負賠償責任リスクや瑕疵(かし)責任(PL事故)リスクへの適切な対策が求められます。
これらの事故が多発すると、元請からの取引中断にも繋がる恐れがあるため注意が必要です。また、経営者の人脈に依存しして経営する中小事業所の場合は、経営者の死亡が事業存続に大きな影響を及ぼす可能性が考えられます。また、自動車事故による損害や下請法違反や談合等のコンプライアンス違反も起こり得るリスクです。
工事対象物の破損・汚損や原料・材料の高騰、資材の盗難等についても発生の頻度が高い傾向にあるため対策の検討が必要でしょう。

具体的なリスク対策

景気後退で工事量が減少する中で、オール電化や光ファイバーなどのIT関連工事、環境にやさしい省エネなどへの新しい取り組みを進め、商機を拡大していくことが大切です。
高度な技術力を保ち、さらなる技術的な高みを目指すことは、差別化を図り競争力を備えるだけでなく、請負賠償責任リスクや生産物賠償責任に絡む事故の削減をも実現します。
景気拡大局面では工事量の増加・売上および利益の拡大が見込めますが、厳しい時代を勝ち抜くためには、経費削減を行う傍ら経営効率を向上させて企業体質の強化を目指すことが重要です。新しい技術やノウハウを取得するための教育機会や将来的に取り組みが見込まれる事業への先行投資は必要不可欠なことから、工事毎の原価管理を行い一定水準の利益を確保することが肝要です。
貸倒れや元請けの倒産等のリスクに対しては与信管理の徹底のみならず、取引先や売掛債権を分散させておくことが必要です。特定業者との取引や債権の集中はリスク量を増大させます。売上金回収(債券回収)を念頭に置きながら、販路を拡大(分散)することも重要なリスク対策のひとつです。
また、労災事故は発生したという事実だけで元請けから受注を失う恐れや、安全配慮義務違反を問われた場合には巨額の賠償請求を受ける場合もあります。労災隠しや談合等のコンプライアンス違反も取引停止や入札停止を招くこともあるため、事故が発生しない状況を作り上げることがシンプルかつ効果的な対策になるでしょう。

電気工事業における保険の活用

電気工事業における保険の活用を解説します。
下請業務の受注にあたっては、一定の要件(補償内容や補償額)を満たす上乗せ労災保険等への加入が条件として課されるケースが増えています。
具体的には「労働災害総合保険」もしくは「被保険利益が従業員ではなく企業の方にある保険商品」等で保険会社および保険商品名まで限定列挙させるケースがあり、一般的な損害保険では被保険利益は従業員にあるため、要件を満たさないと判断される場合もあります。また、安全配慮義務違反等が想定される場合には、使用者責任リスクに対する使用者賠償責任保険も必要となります。
請負業者賠償や生産物賠償等の賠償責任保険は、保険特約の有無やパッケージ型保険(総合保険)等、保険会社によって補償範囲が大きく異なるため注意が必要です。
特に事業者の工事遂行中の事故を想定するにあたり、直接的に作業を加えているものの損害や管理中(下)の物件の損害については、管理下財物担保特約等をセットしなければ免責となるケースがあります。仕事の目的物や管理中物件についての補償は資材の盗難等のリスクも含めて組立保険等でカバーすることも可能です。損害保険各社からそれぞれ特色のある保険商品が販売されている中で、事業者が直面するリスク実態を軸に、保険特約等を含めた保険商品の内容(補償内容)を吟味して選択することが極めて重要です。経営者への依存度が高い場合には経営者の死亡に備えた生命保険の活用も有効な手立てのひとつです。

その他懸念されるリスク等ございましたら、簡易分析シート で診断をすることができます。

※このご案内は概要を説明したものです。詳しい内容につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。