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Long term care health

Risk Controlリスクコントール

  • 利用者の尊厳ある生活を確保するためのリスク対策

Risk Financingリスクファイナンシング

  • 移送中の自動車事故に備えて自動車保険への加入は必須
  • 火災・自然災害に備え、火災保険や地震保険を検討
  • 介護事故、施設賠償責任リスクなどは、介護事業者向け総合賠償責任保険を活用
  • 個人情報漏洩リスク対策としてサイバー保険を活用

Risk Control
リスクコントール

損失の発生頻度と大きさを削減する方法

Risk Financing
リスクファイナンシング

保険等、第三者に金銭的な負担(リスク転嫁)または自己負担できるよう積み立てる(リスク保有)ことで損失を補てんする方法

リスクコントロールにより、損失を削減し、リスクファイナンシングの実行でより効果的な対策ができる

介護老人福祉施設の特徴的なリスク

同じ施設でありながら、老人福祉法の「特別養護老人ホーム」を介護保険上の「介護老人福祉施設」と言うため、ここでは双方を略して「特養」という呼称で統一します。特養の特徴的リスクは、既に身体的機能や認知的機能の低下により、リスクを抱えている方々を相手にする仕事であるということです。特養は介護を必要とする高齢者が1日1日を自分らしく過ごす「生活の場」であり、入居者の方々の安心・安全で自立した尊厳のある生活を提供する場所です。そのため、ケアの提供過程で発生する介護事故や本人要因のケガ、施設の欠陥等を原因とする施設事故(ビア翔責任等)や感染症の発生、さらには食中毒のように入居者の安全を阻害するリスクをいかに回避するかが大きなテーマになります。また、社会保障費の増大に伴う社会保障制度の変更の他、多くの法令が関わっているため、法律改定(保険制度等)も特徴的なリスクとして考えられます。起こりやすさは低いですが、移送中等の自動車事故や天災(地震・台風等)火災・爆発等についても、車両や建物等の施設の損害もさることながら、被害から入居者を守るという視点から対策を検討する必要があります。また、業務の特性から労働災害(使用者責任含む)の発生にも注意を払う必要があると考えられます。過去の病歴等の特殊な情報を預かることから、個人情報の漏洩への対応や、助成金やその他の資金繰りに関わるコンプライアンス違反についても留意しなければなりません。起こりやすさの高いリスクとしては、雇用トラブルや入居者とのトラブル、人材不足・育成難(介護職員)等が考えられます。

介護老人福祉施設の具体的なリスク対策

特養はその目的が社会福祉であり、リスク対策の目的は利用者の自立した尊厳ある生活の確保です。そのため、利用者に対する安全の確保・介護事故の予防は必要不可欠な取組みですが、利用者の尊厳重視という視点を考慮に入れる必要があります。例えば、転倒事故のケースでは、事故防止のために自由な歩行や入居者の身体を拘束しすぎると、尊厳重視の視点が欠けてしまうため、転倒させないための拘束ではなく、転倒してもケガをしない被害の最小化が重要です。同様に、食事の際の誤嚥事故を防止するために食事介助を止めて栄養補給を行い、行方不明事故を無くすために完全に閉ざされた状況を作ることも、不当に自由を奪い、尊厳侵害に繋がったり、居住者の不満足に繋がったり、場合によっては逆に安全配慮に欠いた取り組みに繋がります。そのような事態が発生すると、家族や地域に対する信頼が失われ、介護事故は無くなっても、そもそもの介護事業所の存在意義を見失います。平成21年に出された東京都福祉保健局の「社会福祉施設におけるリスクマネジメントガイドライン」では、1)報告制度、2)委員会の運営、3)業務手順書の整備、4)研修、5)家族とのパートナーシップ、6)介護記録の6つの仕組み作りを推奨しており、具体的な事故対策としては、事故発生の要因を大きく「職員要因」、「本人要因」、「設備・環境要因」に分けて、要因ごとの対策検討を勧めています。

介護老人福祉施設における保険の活用

介護老人福祉施設に対しては「事業運営上のリスク」「従業員に関わるリスク」「企業資産に関わるリスク」「その他のリスク」の区分に分けて提案すべきと考えられます。「事業運営上のリスク」としては介護事故、入居者のケガ、施設事故、感染症の発生、食中毒等が挙げられ、一般的には各社が取り扱う介護事業者向け総合賠償責任保険を活用しますが、同時多発を前提に最大損害額を考慮した保険金額の設定が大切と言えます。次に「従業員に関わるリスク」ですが、労働災害については福利厚生規程に基づいて労災総合保険、業務災害総合保険等を提案することが必要です。また、精神疾患が多く、人材の流動の激しい業界であるため、人材の確保、雇用リスクの観点から、人事戦略の一環として雇用慣行賠償責任保険や長期所得補償保険やメンタルヘルスサービス付きの福利厚生タイプの保険等の提案を行うことも重要です。安全配慮義務違反が問われた場合の使用者賠償責任については、上記の総合賠償責任保険の補償範囲で対応するのが一般的です。通勤や利用者宅への訪問途上に自動車を使用する場合は、自動車保険は欠かせません。次に「企業資産に係るリスク」ですが、施設自体や介護医療機器損害に備えて火災保険や拡張担保(縮小/免責の活用)による地震保険を提案しておくべきでしょう。「その他のリスク」としては入居者、従業員の個人情報漏洩に対する個人情報漏洩保険が考えられます。

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※このご案内は概要を説明したものです。詳しい内容につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。