・飲食業における主なリスクとして以下が挙げられる
 -価格設定や出店場所など経営戦略の失敗
 -仕入れの合理化失敗、原材料の高騰
 -顧客単価の下落
 -スタッフの引き抜き、スタッフの質の低下
 -食中毒・火災・自然災害等による長期休業リスク
 -労働災害、施設賠償責任リスク
 -顧客トラブルなどによる風評被害
・価格競争・原材料の高騰には徹底した効率化、過当競争には他店との差別化で対応
・食中毒リスクは生産物賠償責任保険を活用した対策を講じ、保険金額は最悪のシナリオを想定して決定
・必要に応じて、施設所有管理者賠償責任保険借家人賠償責任保険を検討
・火災や自然災害は、火災保険・地震保険を活用
・店舗休業リスクに備え、店舗休業保険を活用することも可能であるが、休業しないための施策を導入することも重要
上乗せ労災保険を準備して働きやすい環境を整備し、スタッフの帰属意識、モチベーション向上を促進
・労働災害への対応方法の一つとして使用者倍書責任保険の検討

その他懸念されるリスク等ございましたら、簡易分析シート で診断をすることができます。

飲食業の特徴的リスク

ここでは弁当屋・宅配を除いた外食産業を対象にして業界特有のリスクを検証します。
外食産業の特徴として、労働集約型産業であり、特に調理師の技量、接客サービスが店の売上を左右する。生産と販売が直結しており、料理は注文に応じてその場で生産され、消費されるため、新鮮な材料でその店らしい料理を提供することが求められる。メニューは多様であるが、個々の販売量は少なく、仕入れの合理化が困難である。一般的に小規模経営が多く、経営者の個人的要素や力量が経営に与える影響が大きいこと等が挙げられます。
節約志向による顧客単価の下落やインターネットの普及による営業チャネルの変化が始まっています。競合店の出店や顧客の減少等による過当競争や価格設定やメニュー作り、出店場所を誤るといった戦略失敗のリスクも考えられます。材料・原価の高騰も影響を受ける事が多く、食中毒の発生も含めて飲食業を営む上で避けられないリスクだと言えるでしょう。また、火災、自然災害(地震・台風等)による長期休業リスクも見落としてはなりません。経営者やシェフ(料理統括者等)の力量に依存している場合は、経営者の死亡やシェフの引き抜きによる影響は多大です。また、近隣の集客施設やショッピングセンターの閉鎖によって起こり得る立地条件の変化も見逃せません。
その他、施設賠償責任リスクや労働災害、顧客とのトラブルは飲食店にはつきものであり、これらの発生頻度が高まれば重大事故や風業被害に繋がるので注意が必要です。

具体的なリスク対策

節約志向の高まりで業界全体の景気が落ち込む中で、低価格戦略の差別化やインターネットを活用したマーケティング戦略を通して、いかにお客さまを呼び込むかが大きなテーマです。飽和市場における過当競争に勝ち抜くには、画一的だった価格やメニュー・サービスの刷新、またはターゲット層を戦略的に設定し、差別化を図っていく必要があります。
例えば、内装・雰囲気・運営等を女性顧客層に合わせた「快適な食事空間づくり」等の店舗展開も一つの事例です。また、食の安心・安全や健康志向、喫煙・非喫煙、低価格や価格均一等も大きな差別化の要素になってくるでしょう。立地条件も非常に重要であり、駅周辺やオフィス街では夜の飲食以外に昼食の提供が鍵になるでしょう。
大手チェーンは差別化・新業態の開発・サービスの拡充で新しい顧客をつかみ、中小零細店は地域密着ももしくはニッチ市場に入り込むことによって生き残りを図るという構図を描くことができると思います。
一般的に原価が安く付加価値が高い産業ではあるものの、原材料の高騰や更なる低価格化競争に備えて効率化を進め、一方では過当競争に巻き込まれないような差別化要素を構築していかなければなりません。
また、労働集約型の産業であるため、シェフや従業員の教育や処遇等にも注力し、人材のモチベーションは生産効率や売上・利益にも多分に影響し、店舗の雰囲気も良くも悪くも変化します。従業員の不平不満はサービス品質の劣化や労災をはじめとする事件事故にも繋がりかねないため、顧客とのトラブルや店のイメージダウンの原因の一つになります。

飲食業における保険の活用

飲食業における保険の活用でまず挙げられるのは、食中毒の発生等に対する生産物賠償責任保険でしょう。保険金額については来客数や人体に与える影響を考慮に入れたうえで、最悪の事態を想定して決定します。
その他の賠償責任リスクとしては、施設の欠陥やサービスの失敗によって第三者に損害を与えた場合の施設賠償責任リスクに対する施設賠償責任保険、店舗が賃貸物件の場合は火災の際に発生する借家人賠償責任リスクに対する借家人賠償責任保険が有効でしょう。
次に所有する建物や設備、食材等の滅失・損傷をもたらす火災や自然災害(地震・台風等)に備えた火災保険や地震保険、現金等の盗難による経済的損失に対する動産総合保険の活用も一般的です。
事故の発生は店舗休業に繋がる恐れもあるため、収入減少リスクをカバーする店舗休業保険や営業継続費用保険も備えておくと安心です。しかし、保険を購入したからとて、注意喚起やサービスマニュアルの徹底、従業員教育をはじめとした自助努力を怠れば防ぐことのできる事故が増えてしまい、結果として事故を増やし、風評被害に繋がります。
飲食業特有のさまざまなリスクに対応するために個別・包括的な保険プログラムを構築することも可能です。また、労働災害への備えとして上乗せ労災保険や使用者賠償責任保険の活用も検討に値します。
従業員が直面するリスクへの対応のポイントとして、福利厚生の本来の意義である「従業員の会社への帰属意識やモチベーション向上」に繋がるような対応策を講じることが重要です。

その他懸念されるリスク等ございましたら、簡易分析シート で診断をすることができます。

※このご案内は概要を説明したものです。詳しい内容につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。