Electronic components

Risk Controlリスクコントール

  • 景気動向の影響は、柔軟な生産体制の確保と研究開発、マーケット分析などで対応
  • 過当競争は、優秀な人材確保と独自技術の開発などで回避

Risk Financingリスクファイナンシング

  • 火災・自然災害に備え、火災保険や地震保険を検討
  • 施設賠償事故は施設所有管理者賠償責任保険を活用して対応
  • 生産停止などのリスクに備え営業継続費用保険の付保を検討
  • 生産物賠償責任はPL保険を活用
  • 労働災害に備え、上乗せ労災保険を検討
  • 使用者賠償責任保険を活用して安心・安全の職場環境を設備
  • リコール保険は保険会社の引受条件が厳しいためリスクコントロール体制、準備金などを整備

Risk Control
リスクコントール

損失の発生頻度と大きさを削減する方法

Risk Financing
リスクファイナンシング

保険等、第三者に金銭的な負担(リスク転嫁)または自己負担できるよう積み立てる(リスク保有)ことで損失を補てんする方法

リスクコントロールにより、損失を削減し、リスクファイナンシングの実行でより効果的な対策ができる

電子部品メーカーの特徴的リスク

電子部品メーカーの特徴的なリスクとしては、電子部品業の景況感が景気の先行指標とされているように、メーカーが需要を先読みして電子部品を発注するため、まず景気動向(変動)が挙げられます。また、絶えず新しい技術やノウハウが開発され商品が進化するため、競争・技術環境の変化(メーカーシェア)が激しく、技術やノウハウが劣化し完成品メーカーから求められる品質・技術水準(世界基準)を維持出来なくなるリスクが考えられます。特に強みを持つ分野や特定企業からの受注、単一部品への依存は、その分野の需要減退や取引先の倒産等で大きな影響を受けることになるでしょう。今後もメーカーからの価格に対する要求が強くなると、一般的な技術力では過当競争に巻き込まれる可能性が考えられるため、技術力及び競争力を高めるためにも優秀な人材確保(継続雇用)が大きな課題と言えます。突発的なリスクとしては、火災・爆発等や天災(地震・台風等)、生産物賠償責任事故(PL)やリコール、施設賠償責任事故、労働災害等がありますが、その結果として長期の生産停止等が発生する場合は顧客離れだけでなく、取引停止(新規・継続)や損害賠償請求に発展する可能性が高く、非常に大きな損害を被る怖れがあるため注意が必要です。特殊な技術を持つ企業においては機密情報漏洩(個人情報含む)、自動車の保有が多い会社やマイカー通勤が常態化している場合は自動車事故等にも注意が必要です。

電子部品製造業の具体的なリスク対策

景気動向(消費・経営動向)や業界動向(新技術や製品)の影響を大きく受けるため、柔軟な生産調整を可能にする体制確保と、完成品メーカーが求める品質の維持・実現、新技術や新製品開発で遅れを取らないための研究開発等の企業努力とマーケット分析が必要です。独自の強み(技術力)を持つことにより過当競争の回避を図る一方、需要の減退に対処するためには収益基盤や収益構造、取引先の分散、販路拡大も検討していかなければならず、経営陣のトレンド分析、優秀な人材の確保や設備投資事業経営の鍵となるでしょう。電子部品メーカーは完成品メーカーより知名度が低い分だけ、継続して実行する人材戦略と教育体制の確立が大きな課題の一つです。PL事故や労災事故等の突発的な事故に対するリスクコントロールも必要であり、リスク管理状況について報告を義務付けする完成品メーカーも多くなってきました。また、BCP(事業継続計画)の作成や復旧期間に応じた在庫の確保等、安全供給のための事前対策を打ち出すことによって取引先との信頼関係の向上を図り、経営戦略の一環として取り組む企業も増えています。実際に事故が発生して納品ができなければ、シェアを落とすばかりではなく、契約上の債務不履行として取引先からの賠償請求が発生する可能性もあるため、必要に応じて生産施設の分散や適正在庫の積み増し、同業他社との代替生産協定を締結することも必要でしょう。PL事故からリコールに直結するケースも多いため、契約等によってPLやリコールが発生した場合の責任の所在についても明確に決めておくことが必要です。

電子部品製造業における保険の活用

電子部品製造業における保険の活用を解説します。生産物賠償責任リスクに対するPL保険(国内・海外)の活用が一般的であるものの、リスクの管理状況や過去の事故履歴、発生の頻度等やその企業の管理体制によっては、保険料の高騰や引受拒否となる可能性もあります。そのため、保険へ依存せず、リスクコントロールが必要でしょう。また、部品メーカーが消費者ではなく、完成品メーカーに損害を与えるケースもあります。不良完成品(部品の不備によって完成品に損害を与えた場合)は、保険会社が不担保と判断した場合、支給資材損害(支給された資材や半製品)については原則的に不担保となってくるため注意が必要です。リコール保険についてはPL保険よりも保険会社の引受けは厳しいと考えられるため、リスクコントロールと同時に保険の活用を検討し、リスク保有対策(準備金)も視野に入れておきたいところです。建物や設備等の経営資源に関するリスクについては、火災や自然災害(地震・台風等)に備える火災保険・地震保険が効果的です。一方で、工場などの設備内における施設賠償事故に対しては施設所有管理者賠償責任保険、長期の生産停止が想定される場合には営業継続費用保険や利益保険が功を奏す可能性があります。また、労働集約産業であることから労働災害に対応する上乗せ労働保険や使用者賠償責任保険を活用して安心・安全の職場環境作りを目指します。特殊技術を保有している企業については機密情報漏えい(個人情報を含みます)に対応した個人情報漏えい保険に企業情報特約等をセットすることも可能です。

懸念するリスクがありましたら、リスク簡易診断(無料・登録不要)をお試しください。

※このご案内は概要を説明したものです。詳しい内容につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。