Logistics

Risk Controlリスクコントール

  • 過当競争には他社との差別化、ニーズの汲み取りで対応
  • 運輸安全マネジメントを活用した「改善の実態が伴った取り組み」や各種認定・認証の取得などが有効

Risk Financingリスクファイナンシング

  • 自動車保険に加入し事故削減に努めることで、保険料削減をもたらし経営体質強化に繋がる
  • 損害率の高い事業者は、保証内容などを吟味し複数年度にわたる保険設計を検討
  • 運送業者貨物賠償責任保険は、想定されるリスク、補償の範囲などを確認した上で選択
  • 貨物運送業で想定される多くのリスクは損害保険を活用して対応

Risk Control
リスクコントール

損失の発生頻度と大きさを削減する方法

Risk Financing
リスクファイナンシング

保険等、第三者に金銭的な負担(リスク転嫁)または自己負担できるよう積み立てる(リスク保有)ことで損失を補てんする方法

リスクコントロールにより、損失を削減し、リスクファイナンシングの実行でより効果的な対策ができる

貨物運送業の特徴的なリスク

これからの貨物運送業の存続発展に求められるキーワードは、運輸安全マネジメントに象徴される「安全」と、他業種においても共通するテーマである「環境」の2点であると言えます。この2つのポイントにおける荷主からの要求の高度化は避けて通ることができず、これらを経営上の戦略と位置づけ、同業他社との差別化を図ることができなければ、過当競争に巻き込まれる可能性が高まります。また、荷主優位の需給環境から燃料費の高騰が価格に転嫁できないことが多く特定の取引先に依存している場合は主要取引先の倒産・取引停止等も大きなリスクとなるでしょう。また、人的な視点では経営者等の死亡・就業不能や労働災害(使用者責任含む)のみならず、経営陣や従業員の高齢化及び若年就業者数の減少が人材不足・育成難(ドライバー等)に繋がり、雇用トラブルに発展することも増えています。そして、それらに起因する業務品質低下は業務中の自動車事故や受託貨物の破損・汚損、第三者賠償(搬送中等)の可能性を高める要因ともなります。基本的に車両や倉庫棟固定資産を多く所有する業態でもあるため、天災(地震・台風等)や火災・爆発等のリスクについても考慮すべきでしょう。今後も運送業に関わる法改正・規制強化に柔軟に対応していかなければ、コンプライアンス違反の発覚等によって致命的な損失を被る可能性があるため注意が必要です。

貨物運送業の具体的なリスク対策

「安全性優良事業所認定(Gマーク)」や「グリーン経営認証」などの認定・認証等の取得は貨物運送業の標準的な基準であり、他社との差別化の証としても非常に有効です。「認証取得ありき」となり、その中身が伴わない(書類や体裁を無理やり整える)取り組み方ではなく、運輸安全マネジメント(国土交通省:平成18年10月)が要求するPDCAサイクルを実施し、「改善の実態が伴った取り組み」のなかで認定・認証を取得していくことが求められるでしょう。このような取り組みは、法令順守体制(コンプライアンス)の強化や、荷主からの要求への対応力向上にもなり、同業他社との差別化に繋がっていくと考えられます。運輸安全マネジメントでは「運輸の安全確保と輸送の安全性向上」が明確化されており、安全、事故、災害、教育、研修、改善、監査という事業者の抱える多くのリスクに包括的に対応する指針と言えますので、上手に活用したいものです。多くの中小零細の運送業者においては、厳しい経済環境下で疲弊しているという実態がありますが、法や規制の要求の他、業界や市場の環境変化に適応していくことが重要となります。近年では、健康チェックツールやドライブレコーダー等の事故防止のための様々なツールが充実しています。コストが発生しますが、将来の事業環境の変化に対応するための「投資」という認識で積極的に活用することが求められます。

貨物運送業における保険の活用

自動車事故や労災事故など運送業において想定されるリスクの多くは、損害保険で補償されますが、運送業に求められるのは「輸送の安全確保と輸送の安全性の向上」となります。「保険に入っているから事故を起こしても大丈夫・・・」といった意識が社内に蔓延することは回避しなければなりません。特に自動車保険等については、事故実績(損害率)が大きく保険料に影響を与えるため、保険商品や保険会社の選択よりも事故の削減(頻度の低下及び損害額の軽減)が優先課題と言えます。最高割引率と最高割増の保険料の差は、数倍にもなる可能性があります。事故発生の予防策は、保険料の低下要因となり、結果的に利益要因となるため経営体質を強化することに繋がります。また、損害率の高い事業者の場合は、保険会社の引受姿勢が消極化する方向となりますので、補償内容の吟味(損害率に影響をおよぼす搭乗者傷害保険等は自動車保険から除外等)や免責金額(自己負担)の設定等を行うと共に、複数年度で保有能力の拡充や事故防止等の取り組みを行う事が重要です。また「貨物の損害を補償する保険」や、「納品作業中の第三者賠償を補償する保険」に関しては、保険会社ごとに特徴のある保険商品が販売されており、それらの単純な比較は困難となります。荷物種類や物流経路、事故発生時の対応と処理、荷物(貨物)の所有権や受託責任等をしっかり把握した上、想定されるリスクや補償の及ぶ範囲を確認して手配することが必要です。

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※このご案内は概要を説明したものです。詳しい内容につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。