Risk Controlリスクコントール
- 取引先の本業支援等による競争力の確保を過当競争対策に採用
Risk Financingリスクファイナンシング
- 配送業務を行っている場合、自動車保険・運送保険などが必要
- 倉庫等を保有している場合、火災保険・地震保険が必要
- 休業中の収入減は休業補償保険を検討
- 食中毒リスクや食品リコールの財務的な解決策に生産物賠償責任保険や食品リコール保険を検討
- 取引先の荷物を格納している場合、受託者賠償責任保険も必要
- 貸倒れリスクをカバーする取引信用保険を検討
Risk Control
リスクコントール
損失の発生頻度と大きさを削減する方法
Risk Financing
リスクファイナンシング
保険等、第三者に金銭的な負担(リスク転嫁)または自己負担できるよう積み立てる(リスク保有)ことで損失を補てんする方法
リスクコントロールにより、損失を削減し、リスクファイナンシングの実行でより効果的な対策ができる
食料品卸売業の特徴的なリスク
食料品卸売業の構造的な問題として、川上のメーカーや川下の小売りの競争激化・減少による需要減少、メーカーや小売業者の大規模化・全国化による取引先の直販への移行、それらを背景にしたサービス面、料金面における過当競争が挙げられます。そのような中でIT投資や取扱商品の選別等の事業戦略の失敗や貸し倒れによるリスクが高まっています。また表示偽装等のコンプライアンス違反や商品や原材料の健康被害問題が発生した場合には風評リスクに晒されて大きな損失を被る可能性があります。起こりやすさが低く、結果(損失の大きさ)の高いリスクとしては、経営者の死亡・就業不能や食料品の保管状況や物流過程における問題による食中毒の発生、それに伴うリコール等が考えられます。また、配送業務を行っている場合には自動車事故による損失、配送センター等の流通拠点を所有している場合や在庫を大量保有している場合は、天災(地震・台風等)や火災・爆発等、施設事故(賠償責任)も考えられますし、商品等の預かり資産がある場合には受託者賠償責任を負うケースも想定できます。仕分けや配送等の人的作業に伴い労働災害(使用者責任含む)や雇用トラブルの可能性も大いに考えられるでしょう。近年は競争激化に伴い、IT投資(物流コストや受発注業務の削減)の増加によるシステム障害も想定されているため、システムメンテナンスについても徹底する必要があるでしょう。
食料品卸売業の具体的なリスク対策
生活に密着した商品を扱うため、他の卸売業と比較して景気に左右されない安定的な業態ですが、近年は卸しを経由しない取引、産地直送の増加、多品種少量配送ニーズの増加等、卸売り業者を取り巻く経営環境は大きく変化しています。また、少子高齢化による国内市場の縮小は避けられず、大手食品卸でも生き残りをかけた再編(経営統合)が進んでおり、今後の存続には、従来型の大量生産を前提とするメーカーと小口販売・少量在庫を前提とする小売との緩衝剤的な機能の強化だけではなく、サービス品質による差別化や物流コストの削減等の効率化による競争力の確保が必要です。中でも製造業と小売業の双方の情報を知り得る優位性を活かし、小売業には商品情報と消費者ニーズにマッチした売り場の企画・提案、適切な在庫管理のアドバイスを、メーカーには消費者が必要としている食品等の情報を提供して新たな商品開発に繋がる提案を行う等の本業支援による差別化が重要です。また、安心・安全な食品へのニーズに対応した物流面での品質管理や、低温物流事業の強化等による特殊性、災害対策のためのストックポイントの立地分散、食品トレーサビリティの遵守、製品のライフサイクルの短縮化に対応したきめ細やかなサービス等も考えられます。大手食品卸が中国等の海外に活路を求め、物流センターや情報システムへ投資を拡大する中で、中小企業が生き残るに小売支援の重要性は一段と強まるでしょう。
食料品卸売業における保険の活用
食料品卸売業における保険の活用としては、まず食料品の保管状況や物流過程での問題から発生する食中毒のリスクに対してPL保険にて対応し、さらにリコール(回収)が生じた場合に備えて食品リコール保険や生産物品質保険を検討する必要があります。ただし、これらの保険は引き受け自体を行っていない保険会社や生産物自体の損害については対象にならないとしている保険会社や生産物自体の損害については対象とならないとしている保険会社もあるので注意が必要です。卸売業はメーカーと小売業者の間に位置する立場にあるため、在庫を保管する倉庫や配送センターを所有している場合も多く、天災(地震・台風・水災)や火災等の発生に備えた火災保険、休業損害に対応する保険の提案は必須であり、商品等を預かっている場合には受託者賠償責任保険なども必要となってきます。配送業務を行っている場合は、自動車保険の手当てはもちろん、荷物を守るための運送保険や物流総合保険等の提案も必要になってくるでしょう。また、人的作業も多いと考えられるため、労働災害に対応する、労災総合保険、業務災害総合保険等の準備もおこなうべきであり、雇用を取り巻く背景から安全配慮義務違反に備えた使用者賠償責任保険等も提案する必要があります。また、近年の物流はITによる効率化が進んでおり、システム障害等に備えたIT賠償責任保険等の必要性も高くなっています。一定の引受基準はありますが貸し倒れリスクに備えた取引信用保険を提案することも必要でしょう。
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※このご案内は概要を説明したものです。詳しい内容につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。