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Corporate risk management

リスクに対して適切な対応を検討することが必要です。

企業活動は、さまざまなリスクを伴います。
一方で、リスクのことばかり考えていると事業活動に積極的な投資を行うことができず、成長・発展の妨げになります。現在のリスク環境や財務状況、また、潜在的に抱えるリスクを正確に把握し、それぞれのリスクに対して適切な対応を検討することが必要です。

リスクの種類

リスクを分類する方法として最も一般的なのは、「純粋リスク」と「投機的リスク」の2つに分類する方法です。

純粋リスク

企業に対して損失のみをもたらすリスクを指します。
代表的な例は、火災、台風、地震などの自然災害、自動車事故による損失が発生する危険性です。
これらの事象の発生を個々に正しく予測することは困難である一方、統計データを活用することにより、発生確率を測定することが可能です。
そのため、純粋リスクに対しては、想定される損失に見合った損害保険契約を締結することにより、損失をカバーすることが可能です。

投機的リスク

ビジネスリスク、動態的リスクとも呼ばれ、損失だけではなく利益を生む可能性のある危険性を指します。
例えば、経済情勢や政治情勢、法規制、技術環境など事業環境の変化により損失が発生するリスクです。

<参考>事業活動の遂行に関するリスクの一例
区分 具体例
事業機会に関連するリスク
  • 新事業分野への進出に係るリスク(新たな事業分野への進出の成否等) 
  • 設備投資に係るリスク(投資模の適否等)
  • 商品開発戦略に係るリスク(新機種開発の成否等) 
  • 達戦略に係るリスク(増資又は社債、借入等の成否や調達コスト等)
事業活動の遂行に関連するリスク
  • モノ、環境等に関する災害リスク(地震、不適切な工場廃液処理等)
  • 情報システムに関するリスク(セキュリティの不具合による情報漏えい等)
  • 商品の品質に関するリスク(不良品の発生・流通等)
  • コンプライアンスに関するリスク(法令違反等)
  • 務報告に関するリスク(粉飾決算等)

資料:リスク管理・内部統制に関する研究会「リスク新時代の内部統制」から中小企業庁作成

リスクマネジメントの必要性

リスクマネジメントとは

企業活動に伴って発生するあらゆるリスクを組織的に管理(マネジメント)し、リスクによる損失等の回避、低減を図り最小限のコストで食い止めるプロセスです。

近年では、リスクを取って利益を追求しないと企業が成長できないと積極的に捉えられるようになってきています。しかし、あらゆるリスクから会社の資産を守るためにも、実際の対策には経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報など)が必要になります。資源は有限なので、すべてのリスクに対応すると資源がいくらあっても足りません。そのためにも企業が経営を行う上で障壁となるリスクとそのリスクが及ぼす影響を正確に把握することが大切です。その上で、事前の対策を講じ、リスクを回避するとともに、危機発生時の損失を極小化するための経営管理が必要とされます。

リスクマネジメントの流れ

リスクマネジメントは一般的に、以下の①~④の流れで進めます。
①~③のプロセスをリスクアセスメントともいいます。


リスク対策

リスク評価を経て、どの対策を取るか決定します。リスクに対応する対策は、大きく4種類に分かれます。

リスク回避

事故が起きないよう未然に防ぐための対策を指し、発生する可能性のあるリスクの原因を取り去ることを意味します。
例)河川が氾濫する地域に建設した工場を氾濫の危険性のない場所に移転する 等

リスク軽減

事故による損失を最小化するためにリスク管理プロセスを強化します。
例)経営戦略の再検討、従業員教育、業務プロ背素の改善、システムの改善 等

リスク転嫁

自社保有の限界値を超えるリスクに対して、保険などを活用して社外にリスクを移します。
例)資本市場の活用、保険市場の活用、ハイブリッド手法、自家保険 等

リスク保有

許容範囲とみなしたリスクを自社の財務体力で吸収し、事故の際の損失や賠償等を自社で全て支払うことを指します。